万博パビリオン屋根素材のアップサイクルバッグ、予約400本突破
モンドデザインが展開するアップサイクルブランド「SEAL」は16日、2025年大阪・関西万博ルクセンブルクパビリオンで使用された膜屋根素材を再利用した限定バッグコレクションの予約数が400本を突破したと発表した。価格は7,700円から3万3,000円。

同社によると、当初確保していた膜屋根素材の使用可能部分は約500〜700平方メートルで、すでに半分程度を使用する見込みとなっている。現在のペースが続けば、万博閉幕前に膜屋根全体を使い切る計算だという。
販売エリアは日本国内に加え、ルクセンブルク本国の個人・団体からも多数の予約を受けている。同社はアップサイクルへの関心が国境を越えて高まっていることの表れとしている。
大阪の熟練職人が手作業で製作
製品の製造は、40年以上にわたり国内でバッグ製造に携わってきた大阪の「株式会社ふく江」の熟練職人が担当する。加工が困難な天井膜素材を、伝統の技と現代の感性を融合させて一点一点丁寧に仕上げる。様々な形状の天井膜を手作業で選別・裁断することで、素材の特性や風合いを美しく表現している。
使用する膜屋根素材は、1973年設立のフランスの生地メーカー「Serge Ferrari」製。長年の研究で培われた高い耐久性と防水性を持ち、屋外の風雨に長期間さらされても色褪せや劣化の心配がないと謳う。
製品ラインナップは4種類。Travel Boston Bag Msize(3万3,000円)、One Shoulder Bag Spiral(1万7,600円)、Mini Wallet(1万1,000円)、Glass Case(7,700円)を用意した。清潔感のある白を基調とし、随所に本革を採用する。
5月15日から予約を開始しており、製品の配送は万博終了後の2026年4月から5月予定。実際に6カ月間使用されたアップサイクル素材のため、独特の使用感や経年変化が残る場合があるが、同社は「素材が過ごしてきた歴史の証」として魅力の一つに挙げている。
展示販売は大阪・関西万博ルクセンブルクパビリオン内およびSEAL表参道本店で実施。オンラインでの予約も受け付けているが、配送は日本国内のみとなっている。
同社は万博閉幕後、回収・製造・販売を通じた二酸化炭素削減効果を定量的に分析する計画も明かした。環境負荷を数値化することで、循環型デザインの実効性を検証するとしている。同社は2025年5月の調査に基づき、この取り組みを「世界初」と位置づけている。
